※注:今日は2回更新しています。下のほうからお読みくださいませ。

--------------------
「水平線?」レナは戸惑って言う。
「俺の生まれ育った出雲大社のてっぺんから水平線をみてる。」
ここで直哉と俺と知子でよく夜通し語り合った。どいつとどいつがつきあってる
だとか、あいつは実はエロいやつだとかそんな他愛もない話題だった。そんな中ふいに
直哉が言った。俺たち、全員で上京しねーかって。あいつ瞳を輝かせている。
俺もきっとそうだったろう。田舎だったけど毎日がスリルと冒険に満ち溢れていて
楽しくてしょうがなかった。「どうしたの?」レナの声にふと我に返った。
「ごめん。とりあえず今日は実家でゆっくりして明日東京に戻るよ。話は
 そこでしよう。」俺は手短に言った。「わかった。」レナはまだ話したいという感じ
で言った。スリルといえば。高校2年のとき、俺と直哉は先輩の鮫島に目をつけられていていつも会うたび絡まれていた。陰で俺はそいつのことを鼻くそと呼んでいた。
顎のところにでっかいほくろがあり、それが鼻くそに見えたからという至って単純な
由来だ。鼻くそは昼休みの時いつもどおり俺らの溜まり場だった屋上にやってきて
こう言った。「おい!!甲田。ちょっとつらかせや!!」俺は聞こえないふりをしたかった
がやつの声はむかつくぐらいよく通るのである。これはさすがに無視できない。
「なんすか?」俺は無愛想に言う。「なんすかじゃねーよ。お前こないだの約束忘れて
ねーだろーな?」俺は一瞬目をつぶった。しまった!!鼻くその大好きなアイドル
七瀬 あやみの無修正DVDを貸すのであった。完全に忘れていた。「ええ・・」俺は
目を泳がせていった。「おれのあやみたんのDVDもってきたよなぁ?」下品な笑い声を
屋上に響かせる。鼻くそのきもさは学校一だったが喧嘩の強さも学校一だった。
「・・・・・」俺は完全に萎縮していた。「まさかもってきてねーってことはねーよな?」
鮫島にやっと左口角を上げて言う。「忘れたら確か一発おもいっきり殴らせていただくはず
だったぜ?」そういったのも束の間鼻くその超重量級のフックが俺の脇腹にはいった。
「ごふっ!!!」俺の足元がふらつく。俺は眩暈とともに一発どころかもう一発鼻くそが
パンチを繰り出してきたのでおもわずガードした。その刹那、鼻くその血の気が引いた。
俺がその顔色をみて振り返ると俺の学校でいちばんやばい男といわれる、真木さんが屋上の入り口に仁王立ちしていた。「おーアイドルオタクの鮫島君じゃないかぁ!!!」真木さんは眩しい笑顔でいった。「下級生いじめはよくないなぁ。DVDやるよほれ!」そういって真木さんは屋上から校庭にむかってDVDを放り投げた。その途端に全校生徒の特に女子
がきゃーきゃーいっていた。野郎は取り合いしていた。真木さんは屋上のてっぺんからまるで学校へいこうの企画みたいに言った。「これは鮫島君の私物でーす」一斉に女子から軽蔑にもにた視線が送られる。俺はその輪の外から俺のほうにむかってにこっとしている直哉の姿をみつけた。俺たちは互いに笑いあった。

-----------------------------------
次の日東京に戻った。渋谷を歩いているとまた都会の雑踏と空気に心が侵食
されていく気がした。

                  To be continued・・・・

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索