第4話 FIGHT FOR YOUR LIGHT (2)
2005年11月28日 小説 随筆第4話(2)
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「ハル。ほんとにきてくれたんだ。」知子は破顔一笑した。
「約束だったからな。」時は遡って2002年。知子がアメリカに行く前
必ず3年後の冬にいくと言った俺。あの時といまとではなにもかもが
ちがう俺たち。でも変わらないのは今こうしてみつめあっている微笑だけだ。
知子は必死に右腕を動かしてあのときのサイン。そう。水平線を示して笑って
みせた。俺はそれにならっておどけてみせた。
「ねえ。ハル。わたしたちこうやって再会できたらある約束してたよね?」
知子は潤んだ瞳でまるで少女のように言った。
「さあ?」俺は忘れるわけないだろと思いながらも気恥ずかしさからわざと
そっけない振りをした。
ちらっと知子のほうをみると彼女は目を閉じていた。
俺は一呼吸おくと彼女のやわらかい唇に自分の唇を重ねた。
「Hey!!Whats up? Please get UP!! Haruki!!」
訳のわからない英語が早口でまくしたてられる。
俺はいつのまに眠ってしまっていた。
気づくと日が明けていた。足元には毛布がかけられていた。
そして肝心の知子は。相変わらず酸素マスクをつけて眠っていた。
そう。すべて夢だったのだ。
彼女は血色のない顔色をしていた。鏡の中の俺をみた。俺も寝てないせいか
クマができていた。
大学のキャンパスへ出てみる。
向こうでは談笑して遠くからちかづいてくるハーバード生がいた。
彼らは希望に満ち溢れ楽しそうに話していた。
俺は今の自分の惨めさに身を隠したい気持ちになる。
SMOKE AREAにいってマイルドセヴンに火をつける。
と思ったがライターがどこにもない。ポケットなどをさぐって
いると同い年くらいの男がきた。金髪ですこしカールがかかった
外国人特有の髪型。すっと通った鼻筋に青い瞳をしていた。
俺は「Could you borrow your righter?」とその男に言った。
「Sure.」彼はきさくに俺にライターを貸してくれた。
俺のしょぼい英語力で彼と片言の会話をした。
彼の名前はダニエル。いまはシニアつまり大学3回生である。
アメリカンフットボールのクォーターをやっているらしく強そうだった。
そんな逞しい彼は俺にこっちに来ないのか?といってきた。
俺は知子のことを簡単に言った。気の毒に。と彼はいった。
よかったら今晩俺のいきつけのBARにこいよ。と彼は言った。
俺は彼女の容態を確認していくといって別れた。
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病室にもどっても状況はまったく変わらない。
相変わらずの社会と切り離されたような世界。ICU。
3時間ほど彼女に話しかけ続けた。
「おまえ、また島根にいっしょにいくんじゃないのか?」
「これおまえが好きだった,たまごっちだよまたはやってんだぜ?」
「ほら、あの花火大会覚えてるか?おまえまじでびびってたな」
俺の言葉はすべて一方通行だ。会話のキャッチボールというものが
そこには存在しない。あまりにも孤独感だったからだろうか。
俺は気分転換にダニエルのいったBARに行くことにした。
キャンパスをぬけて地下鉄で何駅かいったところにその
BARはあった。JAZZが店内には流れておりR&Bシンガーも
いた。ブルースは心に沁みる。俺は入り口で店内を見回していると
ダニエルが手をふって「HEY! Haru!!!」というのが聞こえた。
ダニエルは彼女のシンディをつれていた。シンディはブロンドの
ロングヘアーでおしゃれをしていた。すこしきつそうな性格といった
顔立ちであった。彫りの深い茶色い目をしていた。チアリーダーを
しているそうだ。ダニエルから紹介をうけて俺もハルとよんでくれ
といった。俺はカクテルを飲んだ。名前は、BITCH。
ビッチのようなあばずれのような荒んだ色合いだが味は上品な
ライムだ。なりは軽薄だが中身はあるのだ。ビッチを味わっていると
後ろで喧嘩が起こった。どうやらダニエルの連れらしい。
英語で何をいっているかわからなかったがFUCK!!FUCKIN
とやたらなお粗末な言葉ばかりつかわれている。俺はきにせず
BITCHを飲む。酔いが回ってきた。もう何もかもから逃げ出したかった。
左右隅のトイレではイラン人らしき男がヘロインの密売をしている。
とんでもないBARにきたと俺は思った。
いっそ俺もヘロインをうって知子とあの世にいっちまいたいと思った。
ダニエルは喧嘩の仲裁に入っている。よくある西部劇じゃねーんだから
と俺はおもいながらタバコを吸う。
あきらかにジャンキーな40代くらいの荒んだ身なりの男が
俺の横のカウンター席に座った。彼はじろじろこちらを見てきた。
まるで品定めするように。ダニエルは大声で言った。
「Its a show time!!!!」
仲裁と思っていたがどうやらこの喧嘩でどちらが勝つか賭けを
するというのだ。ほんとアメフトやってるやつらは考えが
アニマル並みだと俺は思いながらカクテルを飲み干す。
本当にこれこそまさにBITCHだなと思いでも熱いダニエル
たちに俺は顔をほころばした。
付き合いきれないと思いダニエルに右の細マッチヨに20ドル
といって俺は店を出て行った。 Tobe continued…..
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「ハル。ほんとにきてくれたんだ。」知子は破顔一笑した。
「約束だったからな。」時は遡って2002年。知子がアメリカに行く前
必ず3年後の冬にいくと言った俺。あの時といまとではなにもかもが
ちがう俺たち。でも変わらないのは今こうしてみつめあっている微笑だけだ。
知子は必死に右腕を動かしてあのときのサイン。そう。水平線を示して笑って
みせた。俺はそれにならっておどけてみせた。
「ねえ。ハル。わたしたちこうやって再会できたらある約束してたよね?」
知子は潤んだ瞳でまるで少女のように言った。
「さあ?」俺は忘れるわけないだろと思いながらも気恥ずかしさからわざと
そっけない振りをした。
ちらっと知子のほうをみると彼女は目を閉じていた。
俺は一呼吸おくと彼女のやわらかい唇に自分の唇を重ねた。
「Hey!!Whats up? Please get UP!! Haruki!!」
訳のわからない英語が早口でまくしたてられる。
俺はいつのまに眠ってしまっていた。
気づくと日が明けていた。足元には毛布がかけられていた。
そして肝心の知子は。相変わらず酸素マスクをつけて眠っていた。
そう。すべて夢だったのだ。
彼女は血色のない顔色をしていた。鏡の中の俺をみた。俺も寝てないせいか
クマができていた。
大学のキャンパスへ出てみる。
向こうでは談笑して遠くからちかづいてくるハーバード生がいた。
彼らは希望に満ち溢れ楽しそうに話していた。
俺は今の自分の惨めさに身を隠したい気持ちになる。
SMOKE AREAにいってマイルドセヴンに火をつける。
と思ったがライターがどこにもない。ポケットなどをさぐって
いると同い年くらいの男がきた。金髪ですこしカールがかかった
外国人特有の髪型。すっと通った鼻筋に青い瞳をしていた。
俺は「Could you borrow your righter?」とその男に言った。
「Sure.」彼はきさくに俺にライターを貸してくれた。
俺のしょぼい英語力で彼と片言の会話をした。
彼の名前はダニエル。いまはシニアつまり大学3回生である。
アメリカンフットボールのクォーターをやっているらしく強そうだった。
そんな逞しい彼は俺にこっちに来ないのか?といってきた。
俺は知子のことを簡単に言った。気の毒に。と彼はいった。
よかったら今晩俺のいきつけのBARにこいよ。と彼は言った。
俺は彼女の容態を確認していくといって別れた。
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病室にもどっても状況はまったく変わらない。
相変わらずの社会と切り離されたような世界。ICU。
3時間ほど彼女に話しかけ続けた。
「おまえ、また島根にいっしょにいくんじゃないのか?」
「これおまえが好きだった,たまごっちだよまたはやってんだぜ?」
「ほら、あの花火大会覚えてるか?おまえまじでびびってたな」
俺の言葉はすべて一方通行だ。会話のキャッチボールというものが
そこには存在しない。あまりにも孤独感だったからだろうか。
俺は気分転換にダニエルのいったBARに行くことにした。
キャンパスをぬけて地下鉄で何駅かいったところにその
BARはあった。JAZZが店内には流れておりR&Bシンガーも
いた。ブルースは心に沁みる。俺は入り口で店内を見回していると
ダニエルが手をふって「HEY! Haru!!!」というのが聞こえた。
ダニエルは彼女のシンディをつれていた。シンディはブロンドの
ロングヘアーでおしゃれをしていた。すこしきつそうな性格といった
顔立ちであった。彫りの深い茶色い目をしていた。チアリーダーを
しているそうだ。ダニエルから紹介をうけて俺もハルとよんでくれ
といった。俺はカクテルを飲んだ。名前は、BITCH。
ビッチのようなあばずれのような荒んだ色合いだが味は上品な
ライムだ。なりは軽薄だが中身はあるのだ。ビッチを味わっていると
後ろで喧嘩が起こった。どうやらダニエルの連れらしい。
英語で何をいっているかわからなかったがFUCK!!FUCKIN
とやたらなお粗末な言葉ばかりつかわれている。俺はきにせず
BITCHを飲む。酔いが回ってきた。もう何もかもから逃げ出したかった。
左右隅のトイレではイラン人らしき男がヘロインの密売をしている。
とんでもないBARにきたと俺は思った。
いっそ俺もヘロインをうって知子とあの世にいっちまいたいと思った。
ダニエルは喧嘩の仲裁に入っている。よくある西部劇じゃねーんだから
と俺はおもいながらタバコを吸う。
あきらかにジャンキーな40代くらいの荒んだ身なりの男が
俺の横のカウンター席に座った。彼はじろじろこちらを見てきた。
まるで品定めするように。ダニエルは大声で言った。
「Its a show time!!!!」
仲裁と思っていたがどうやらこの喧嘩でどちらが勝つか賭けを
するというのだ。ほんとアメフトやってるやつらは考えが
アニマル並みだと俺は思いながらカクテルを飲み干す。
本当にこれこそまさにBITCHだなと思いでも熱いダニエル
たちに俺は顔をほころばした。
付き合いきれないと思いダニエルに右の細マッチヨに20ドル
といって俺は店を出て行った。 Tobe continued…..
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