第4話(4)FIGHT FOR YOUR LIGHT

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NYの夜は日本より長く感じられた。
街に飛び交う言葉はスラングだらけの英語達。
教科書では教えてくれないリアルなNYの言葉が
吐き出されては消えていく。マディスン・スクエア・ガーデン
が街頭に照らされそびえたっている。
 時々俺はこんなことを考える。人はどこに向かって生き
どこに終着駅を求めるのか。そんな何気ないようで誰も示してくれることない解答を欲するべく
今日も日常を生きているのだろうか。ここ数ヶ月はさまざまな
ことが起こったせいか時間が濃縮されている気がする。
 人は旅に出ると一日をあっという間に感じる。日常から抜け出し
さまざまな人に出会い、新しい未知の世界に踏み入れ知的
好奇心をくすぐられる。年をとるほど新しい刺激はなくなり、
日々は単調になる。そして一日が早く終わるように感じる。
 昔、近所のおじさんの楠田さんが言っていた言葉を思い出す。
「年齢はすべてが平等に与えられているんじゃないんだよ。歳を
 くうとともに
比例してその時間の体感度は進みだすんだ。」
 俺は今20歳。
ここまでくるまでも気づいてみたらあっという間だったが
40歳になったときはもっと早く感じられるというのか。
 タバコに火をつけぼんやりと俺はNYの街を見渡す。
どこか渋谷に似た空気を感じる。渋谷と違い個性豊かな
光景だが、その根底にあるのは変わらないきがする。
またあの渋谷の交差点の雑踏を思い出しそれをNYの街並み
と重ね合わせてみる。俺はふいに眩暈がした。また何かに
吸い込まれそうな感覚だ。この街のどこかにブラックホール
があって俺はそこに吸い寄せられるかのように。
この交差点で俺だけに焦点をあわせられシャッターを切られた
一枚のモノクロ写真。俺はなぜかそんなイメージを脳裏にかすめた。
 俺の人生は誰かに操られているのか。この運命も変えることが
できないのだろうか。いつになく弱気になっている俺は頬を
叩いた。
 もうすぐ、レナとの待ち合わせ場所に着く。
擦り切れたジーンズに今も変わらず履きつぶしたローカットの
真っ赤なコンバースのまま俺は青信号に変わった交差点を横切って消えていった。

ENDING曲:マニックストリートプリーチャーズ
 「IF YOU TOLERATE THIS YOUR CHILDREN WILL
  BE NEXT」

                  to be continued....

コメント

nophoto
編集長M氏
2005年12月3日1:01

なんでマニックスなの?そのチョイスの理由が聞きたいっす。

EMINEM☆
EMINEM☆
2005年12月3日1:08

いやマニックのアルバムをバイトの店長から借りて聞いてて
この曲聴きながら書いてたからやでー。
この曲を聞きながら沸いてきたイメージを
文章にいたしました。

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