水平線

2005年12月23日 小説 随筆
第5話(2)

------------------
それは異様な幕開けだった。
なにもかもが異次元かのような。
無造作に陳列された塊。
俺は仲間とオールした後、再びアメリカへ戻る身支度を
した。
サブと直哉たちが帰った。
レナは相変わらずわれここにあらずといった調子だ。

俺がスーツケースに手を伸ばした瞬間だったろうか。
俺の手の上にレナの冷たい小さな手がやんわりと
乗せられた。
 ふいな行為に俺は一瞬戸惑った。そして沈黙して
見つめる。レナは透き通った茶色い目をしている。
その目は俺の心の中まで見透かしているようでもある。
逃げることもできない獲物を捕らえた瞳だ。
 その瞬間。

レナは俺にくらいつくぐらいのディープキスを
してきた。俺は一瞬なにがなんだか分からなかった。
頭の中がぐわんぐわんかき混ぜられたコインランドリーの
ようになる。そしてガレージでガンがんに鳴らされた
ガレッジミュージックのようなリフが頭をかけめぐる
ようだ。レナのキスはそれぐらい鮮烈なものなのだ。
形容することはできない。

このまま溺れてしまいそうだ。。
知子のことが脳裏によぎる。
それを乗っ取るかのように
レナが近づいてくる。

何分たったろうか?
レナは俺の唇を探っている。

俺がわれに返ると扉には
忘れ物を取りに帰ってきたサブが
呆然と立っていた。

        to be continued....

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索